金投資の詐欺の手口と見分け方。警察官を名乗る金地金詐欺から押し買いまで

金をめぐる詐欺は、警察官を名乗って金地金を買わせる手口、金を渡さない預かり商法、「必ず上がる」と勧める投資話、家に来て安く買い取る押し買いの4つに分けられます。警察庁の発表などをもとに、それぞれの見分け方と相談先をまとめました。
- 金をめぐる詐欺は、警察官を名乗る金地金詐欺・預かり商法・投資話・押し買いの4つに分けられる
- 警察官を名乗り、金地金を買わせて玄関先などに置かせる手口は、令和6年に少なくとも20件確認されている
- 警察が金を買わせることはない。金を手元に渡さない取引や「必ず上がる」という話も疑う
金をめぐる詐欺は、大きく4つに分けられる
金は世界中で値段がつき、現金に換えやすい資産です。そのぶん、詐欺の道具にも使われてきました。手口は時代によって変わりますが、入り口で分けると次の4つになります。
| 手口 | よくある入り口 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 警察官などを名乗って金を買わせる | 電話・SNSでの「捜査」の連絡 | 警察は金を買わせない |
| 金を渡さない預かり商法 | 「保管はこちらで」「証券だけ渡す」 | 金が自分の手元にない |
| 「必ず上がる」と勧める投資話 | SNS・知人の紹介・電話 | 金は値下がりもする |
| 家に来て安く買い取る押し買い | 「不用品を買い取る」という訪問 | 頼んでいない訪問 |
最近目立つのは、1つ目の警察官を名乗る手口です。順に見ていきます。
警察官を名乗り、金地金を買わせる手口が増えている
警察庁は2025年3月、警察官などを名乗って金地金を買わせ、だまし取る手口について注意を呼びかけました。令和6年中に少なくとも20件が確認されています。
警察庁が示した例では、だます側は次の順で動きます。
- 1「逮捕状が出ている」と連絡する
警察官を名乗って電話をかけ、SNSで逮捕状の画像を送ってきます。
- 2「潔白を証明するため」と資産を聞き出す
持っている資産をすべて明かして提出するよう求めます。
- 3金地金を買わせる
預金を引き出させ、貴金属店で金地金を買うよう指示します。
- 4家の外に置かせて持ち去る
買った金を玄関先や公園の遊具の下などに置かせ、それを回収します。
現金を振り込ませる詐欺は、銀行の窓口で止められることが増えました。金地金は店で買えて持ち運びもしやすいので、現金の代わりに使われていると考えられます。
警察官や役所の職員が、金を買うよう指示することはありません。「金に換えて」「家の外に置いて」と言われた時点で、詐欺と判断してかまいません。電話やSNSのやりとりを止め、自分で調べた番号で近くの警察署に連絡してください。
地金商の側も対策を進めています。三菱マテリアルは2026年9月、金地金に関わる特殊詐欺の被害が増えていることを理由に、電話で新しく取引を始める人の本人確認を厳しくしました。店頭で購入の目的を聞かれることもありますが、被害を防ぐための確認です。
金を手元に渡さない「預かり」の話は疑う
金を買ったのに、金そのものは業者が預かり、買った側には証書だけが渡される。この形は、昔から繰り返されてきた手口です。
よく知られているのが、1980年代の豊田商事事件です。金を売ったことにして、実際には金を渡さず「純金ファミリー契約証券」という紙だけを渡し、高齢者を中心に大きな被害を出しました。
もちろん、地金商の保管サービスや純金積立のように、金を預ける正規の仕組みもあります。違いは、預けた金がどこにあり、どうすれば引き出せるかがはっきりしているかどうかです。預かりの話が出たら、次の3点を書面で確かめてください。
- 誰の名義で保管されるか
- どこで保管されるか(会社の倉庫か、外部の保管会社か)
- いつ、どんな方法で、いくらの手数料で引き出せるか
答えがあいまいだったり、引き出しに長い期間の制限があったりする場合は、契約を見送ります。
「必ず上がる」「月○%」と勧められたら
金の値段は、ここ数年大きく上がりました。そのことを材料に、「金は必ず上がる」「毎月○%の配当が出る」と勧誘する投資話があります。SNSで知り合った人や、知人からの紹介で持ちかけられることが多い手口です。
金は元本が保証された商品ではありません。値段は上がることも下がることもあり、2000年ごろには1gあたり1,000円台まで下がっていました。「必ず」と言い切る話は、それだけで疑う理由になります。
また、金地金や金貨は、持っているだけでは利息も配当も生みません。金を使って毎月決まった配当を出すと言われたら、そのお金がどこから出るのかを確かめてください。説明できない場合は、後から入った人のお金を配当に回しているおそれがあります。
家に来て貴金属を安く買い取る「押し買い」
金の値段が上がると、「不用品を買い取ります」と家を訪ね、貴金属を相場より安く買い取ろうとする業者も出てきます。押し買いと呼ばれる手口です。
家に来て品物を買い取る取引は、特定商取引法の訪問購入にあたり、業者には次のようなルールがあります。
- 頼まれていないのに家を訪ねて勧誘してはいけない
- 売った側は、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができる
- クーリング・オフの期間中は、売った側は品物の引き渡しを拒める
「見せるだけ」のつもりで家に入れたら、強引に売らされたという相談が後を絶ちません。頼んでいない訪問には応じず、売りたいときは自分で店を選んで持ち込むのが安全です。
困ったときの相談先
詐欺かもしれないと思ったとき。すでに被害にあった、危険が迫っているときは110番に。
業者との契約や押し買い、クーリング・オフの相談。近くの消費生活センターにつながります。
口止めされても、まず一人に話します。話すだけで気づけることが多くあります。
詐欺の多くは、「誰にも言わないで」「今日中に」と、相談と考える時間を奪おうとします。急がされるほど、一度手を止めて誰かに話してください。
ポイント 金を買うときは、自分で選んだ店で、自分の手元に受け取る。この2つを守るだけで、ここで紹介した手口の多くは避けられます。
注意 この記事は一般的な注意点をまとめたものです。個別の被害や契約の取り消しについては、警察や消費生活センターに相談してください。

| 項目 | 価格(税込) |
|---|---|
| 認定金貨 販売価格(1枚) | 503,500円 |
| 金 店頭小売価格(1g・田中貴金属) | 23,331円 |
| 金 店頭買取価格(1g・田中貴金属) | 22,974円 |
2026年10月15日(木) 14:00公表。土日・祝日は、直前の営業日に公表された価格を載せています。出典: 田中貴金属、こちら金貨販売本舗(株式会社kochira)
よくある質問
- 警察官から「資産を確認するので金に換えて」と言われました。どうすればいいですか?
- 詐欺です。警察が金を買わせたり、金を家の外に置かせたりすることはありません。電話やSNSのやりとりはそこで止め、自分で調べた番号で近くの警察署に連絡してください。
- 金を買ったら、業者が預かってくれると言われました。問題はありますか?
- 預かりそのものは違法ではありませんが、金を一度も手にしないまま代金だけ払う形は、過去に大きな被害を出した手口と同じです。誰の名義で、どこに保管され、いつでも引き出せるのかを書面で確かめてください。
- 家に来た業者に貴金属を売ってしまいました。取り消せますか?
- 訪問購入なら、契約書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。その間は品物の引き渡しを拒むこともできます。まず消費者ホットライン(188)に相談してください。
- 警察官や役所の職員が、金を買うよう指示することはない
- 買った金は自分の手元か、自分名義で引き出せる場所に置く
- 少しでもおかしいと思ったら、家族か警察(#9110)・消費者ホットライン(188)に相談する



